市場原理主義はグローバリズムの美名のもとに日本を覆い、不良債権問題に大ナタがふるわれ、郵政民営化が着手された。いわゆる「構造改革」の進展である。
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『資本主義はなぜ自壊したのか』中谷巌 松岡正剛の千夜千冊・遊蕩篇
しかし実業の社会に身を投じてみると、すでに日本企業や産業界のそこかしこに過剰な金融主義と過度の自己保身主義が蔓延しつつあること、コーポレート・ガバナンスと言われている背景ではたんに経営陣の高額報酬がアメリカに追随しておこなわれようとしていたこと、その裏では派遣社員などによる労働市場の薄っぺらな補強ばかりが進行していたことなど、どうもおかしなことばかりがおこっている。
副作用もおこっていた。不良債権の掃除をしたはずの経済は不安定になるばかりだし、格差は拡大するばかり、環境破壊にも歯止めがかからない。「構造改革なくして成長なし」というスローガンはあまりにも空しいものだった。
こうして、中谷さんはじょじょに自身の「転向」を覚悟するようになっていく。